弊社のインテリアデザイン 1/5 2011.09.28
先日、弊社の「インテリアデザイン」の中で分類してご説明していた「デザイン」の内容を今後は数回(5回ほど)に分けてさらに詳しくご説明していこうと思います。今回は、まず「仕事の依頼」以降の「ヒアリング → 現場確認 → イメージコラージュ作成 → コンセプト決定」までの作業について。
・ヒアリング
クライアントから仕事のご依頼を受けた場合、当然ですが、まず一度お会いしてお話しを伺います。ご希望されているお店(ブランド)のイメージや雰囲気、ブランドコンセプトやキーワードなど、ざっくばらんにお話しを伺います。ときには話題が脱線しながら、またクライアントの価値観や生活など、あれこれとお話しするだけの時間です。
ただ、デザインのコンセプトの軸となる要素やその店に対する想いは全てクライアントの中に存在している訳ですから、この後デザインを進めていく為に必要な様々な内容や要素を一緒に掘り下げていくことはとても重要な作業です。
お店に対して抱いている抽象的な、もしくは具体的なイメージを聞き出し、取り扱う商品を見せて頂いたり、既存店があればそこの問題点や維持したい要素など、お店に関わる全ての要望を伺い、私たちもその内容をインテリアデザイン側の視点に立ちながら具体的な例も混じえてお伝えし、少しずつお互いのイメージを擦り合せていきます。
その後、現場も確認してさらにイメージを膨らませていきます。
・イメージコラージュ
ヒアリングが終わって、弊社ですぐスタートする作業はイメージコラージュの作成とショップリサーチになります(ショップリサーチに関してはまた別の機会にお話しします)。その店、もしくはブランドに相応しいと感じたり、何か繋がりがあると思われる様々な写真やイメージを、まずはあまり条件を絞り込みすぎずにあれこれ拾い出していきます。そうすることで、少しずつその店に相応しいキーワードや方向性、世界観の輪郭がはっきり見えてきます。
この作業は、以前までは本や雑誌、またはウェブサイト上の写真をコピーして切り抜いて、その切り抜きを思いつくキーワードごとに分類して、それぞれノートに貼り合わせて、と随分手間なことをしてイメージコラージュのノートを毎回作っていました。しかし、今はほとんど本をスキャンしたりウェブサイト上で拾い出した写真をパソコン上でコラージュし直し、必要に応じてプリントアウトして社内のスタッフ同士で話し合ったりして検証しています。
・コンセプトの決定
イメージコラージュの過程で見えて来たキーワードや世界観にプライオリティを付け、いらないものなどは省いたり、足りない部分は補足したりして、最終的にひとつの「コンセプト(もしくはストーリー)」にまとめていきます。
実はここがデザインの中で一番重要で、ここを間違えると取り返しがつかないことになります。当然ながら、間違っているといくら店のデザインを格好良くまとめたとしても「その店には相応しくないデザイン」ということになってしまいます。コンセプトは今後進めていくデザイン全ての方向を決めていきます。
この段階で、弊社では「コンセプトマップ」を作成します。この資料はお見せすることはできませんが 、コラージュに使用した写真やそれに付随する文章やイラストを加え、数枚にわたる資料を作成します。これを次回お話しするスケッチ資料などと合わせてお客様にお見せし、店のコンセプトやデザインを共有していきます。
次回は、その「ラフデザイン提出」までご説明致します。