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ものづくりのできる環境へ 2017.07.27

20170727news
 
 「ものを作る」それ自体は昔はもっと生活の中で身近なものだったのではないでしょうか?それが資本主義のシステムにどっぷりと浸かっていく中で人は効率性や価格でモノを見るようになり、買えるものでモノを選ぶようになり、少しずつ少しずつ自分たちの生活から「何かを作る」という行為が遠いものに変わっていったのではないか、と僕は思っています。
 
 そもそも、人は料理にしろ、栽培にしろ、DIYにしろ「作る」という行為をしているとき「楽しい」という感情が湧いてきます。完成したときに「嬉しい」と感じます。それはなぜでしょうか?美味しいものを食べて「美味しい」と感じるように、「作る」という行為を純粋に身体が欲しているからではないでしょうか?「作る」ことが人間という動物に必要な行為だから。僕は最近そう思っています。僕自身、何かを作っているときほど楽しいことはありません。
 
 そんな思いから、僕は今の自分の「店舗デザイン」という仕事も、またその仕事の進め方も、クライアントである企業の求める出店のシステムに順応しようとし過ぎて、思いの外、遠のいてしまったその「作る」という行為にもっと近づきたい、振り戻したいと思っていました。「自分たちで考えて、自分たちで作る」その当たり前のことが、当たり前にできる環境に。
 
 前置きが長くなってしまいましたが、そんな訳でペブルは5年間いた祐天寺事務所を離れ、門前仲町に移転することにしました。『YANE』という設計施工&作業場&レストラン&植物&他諸々…な複合施設の一部を10月からシェアさせて頂きます。より「もの作り」がしやすい環境でデザインに携わっていきたい、そう思っています。引き続きペブルをどうぞよろしくお願い致します。