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弊社のインテリアデザイン 5/5 2011.10.21

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今回は「ショップリサーチ」について。

ヒアリングの際にお客様から「参考にして欲しい店」と伺ったいくつかのお店が有れば、あくまでも参考例としてですが、まずはそれらの店をできる限り見に行きます。ただし、海外の街並みや店などで到底見に行けないような場合もございますし、特に参考となる店が無く、雰囲気やイメージだけのご要望の場合ももちろん多くございます。そこで、ご希望されている雰囲気を演出しているような店が他にも存在しないかを事前に探しておき、行ける範囲内であればそれらも併せて見に行きます。
 
 インターネットや本、雑誌からだけでなく、実際の店や街で参考例を見つけてじっくり観察することで「なぜ自分たちが演出したい〇〇な雰囲気がそこから感じられるのか?」などを感覚的にも、論理的にも探っていけます。それらはデザインを進めていく上でとても大切なヒントになってきます。そして、それらの参考を生かしつつ、オリジナルな解釈を交えて、よりお客様に相応しいデザインコンセプトをご提案すべくイメージコラージュと合わせてコンセプトメイクを進めていきます。
 
 余談ですが、ショップリサーチは「お客様と一緒に回ること」が最も有効です。そうすることでお互いのイメージをより一層共有し易くなりますし、共通認識が増え、その後の話も大変スムーズになります。ただし、お客様にお時間を頂くことになりますので、どうしても必要なときに限り弊社ではご同行をお願いしております。

弊社のインテリアデザイン 4/5 2011.10.08

今回は「マテリアルの選定」について。

「マテリアル」とは内装に使用する全ての材料のことです。内装におけるマテリアルを書き出すと切りがないので、ここでは省略させて頂きますが、マテリアルのどれもが、各々何十社もメーカーがあり、何百という異なる表情の素材を取り扱っています。それらをカタログで選んでサンプルを取り寄せて見たり、ショールームに行って現物を見たり、施工業者にその素材をいくつか使って新たなサンプルを作ってもらったり、場合によっては一からオリジナルを作ったりして、自分たちが思い描く空間により近い素材を選定していきます。

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マテリアルの選定はとても重要です。いくらスケッチや図面でバランスよくデザインされたように描けても、什器や造作のディティールにこだわっても、CGパースでどんなにリアルに具現化して見せても、実際に店舗ができあがったときにマテリアルに望ましい表情が出ていなければ一気にその感動は薄れます。逆に言えば、店舗が出来上がったときにお客様の想像以上の表情を見せてくれるのもマテリアルです。それが例え 施工費削減の為に当初貼る予定だったフローリングが貼れず塩ビに変える時でさえも、当然同じ手間をかけてより相応しい塩ビを探し直します。マテリアルはそれだけ丁寧に選ばないといけないと考えています。

弊社のインテリアデザイン 3/5 2011.10.05

今回は「最終デザイン提出」の内容についてご説明致します。

 ラフデザインに対する率直なご意見を踏まえて、最終デザインを仕上げていきます。最終デザイン提出ではご要望に応じて、CGパースか模型のどちらかをご用意します(模型の場合、別途料金となります)。
 
 基本的には弊社の最終デザインの提出物は「CGパース」です。CGパースは実際にお店が出来上がった際の「お客様の目の高さ」からの見え方を確認するのに適しており、模型よりもディテールもリアルで細部の確認にも適しています。ただしアングルは限られますので、CGパースの数カットで全体をイメージしてもらうことになります。
 
 その点、模型は手に取って上から見たり、正面から見たり、潜り込んで店内から見たり…と自由に動かしながら全体を見回せます。模型をご希望される方は、継続して同じデザインの店舗出店を考えていらっしゃるような「ブランド」の方が多く、デベロッパーとの出店の交渉がし易いなどの理由から製作を依頼され、社内のプレスルームに模型を置いておくことを希望される方もいらっしゃいます。ただし模型制作には時間がかかりますし、料金も別途かかりますので、CGパースのみをご希望されるお客様が最近はほとんどです。
 
CGパース
ラフデザインの完成後、製作に1週間〜10日ほどかかります。最近はアプリケーションも充実し、よりリアルなパースをお見せ出来るようになりました。デザインを検証する上では十分な精度です。模型と比較すると、変更があった場合に微調整も簡単です。
 

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模型
制作に最短で2〜3週間ほどかかります。1/30〜1/50サイズで製作することが多く、模型サイズが大きいもの、細かいディテールまで必要なものなど、内容によっては1ヶ月かかることもあります。CGパースほどではありませんが、マテリアルもかなりリアルに作り込みます。

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弊社のインテリアデザイン 2/5 2011.09.30

 今回は、前回ご説明した「コンセプト決定」の次の段階「ラフデザイン提出」までの過程をご説明致します。

 コンセプトマップが完成し、デザインのディテールまで少しずつ見えてくる段階に入ると「土台」は随分出来上がってきたことになります。とは言えまだ土台レベル。この段階で想定されるレイアウトを実際に図面に落とし込んだり、スケッチを重ね、下記のようなことを考慮しながらさらにデザインを詰めていきます。
 
・ コンセプトをいかに実際の区画に表現するか?
・ 強調したいメインのデザインをどこに持ってくるか?
・ 動線を考慮し、いかに商品が見やすくレイアウトするか?
・ VPやPPをどこにおき、商品のボリュームをどこに持たせるか?
・ 床、壁、天井のデザインと什器や家具とのバランスは?
・ それぞれイメージに合ったマテリアルは?
・ 細かいディテールへのこだわりは? 等など…
 
 正面から引いて全体を見渡したときにターゲットとするお客様がぱっと見て「入ってみたい」と感じる雰囲気になっているかを確認したり、実際に店内に自分がいるつもりになってあちこち歩き回ってデザインのバランスや商品の見え方を確認してみたり、店内の回遊性を考慮して平面図を眺めてみたり。様々な視点からその店に相応しいと思えるデザイン、バランス、ディテールを考えていきます。そうして、何枚もラフのスケッチを重ねる中で、少しずつ全体のバランスが正確に見えてきます。それを改めて社内のスタッフ同士で話し合い、意見を出し合い、さらにデザインを固めていきます。
 
 そこで答えが見えてくると、ラフデザインの最終段階に入ります。お客様に具体的なデザインをお見せする為の「スケッチ」と「平面図」の作成です。この段階までくると、レイアウトもほとんど固まってきていますので、最終デザインと内容的には大きく変わりません。最終デザインで提出するCGパース(もしくは模型)の制作に入る前の事前確認資料とご理解下さい。

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次回は「最終デザイン提出」の内容についてご説明致します。

弊社のインテリアデザイン 1/5 2011.09.28

 先日、弊社の「インテリアデザイン」の中で分類してご説明していた「デザイン」の内容を今後は数回(5回ほど)に分けてさらに詳しくご説明していこうと思います。今回は、まず「仕事の依頼」以降の「ヒアリング → 現場確認 → イメージコラージュ作成 → コンセプト決定」までの作業について。

・ヒアリング

 クライアントから仕事のご依頼を受けた場合、当然ですが、まず一度お会いしてお話しを伺います。ご希望されているお店(ブランド)のイメージや雰囲気、ブランドコンセプトやキーワードなど、ざっくばらんにお話しを伺います。ときには話題が脱線しながら、またクライアントの価値観や生活など、あれこれとお話しするだけの時間です。

 ただ、デザインのコンセプトの軸となる要素やその店に対する想いは全てクライアントの中に存在している訳ですから、この後デザインを進めていく為に必要な様々な内容や要素を一緒に掘り下げていくことはとても重要な作業です。

 お店に対して抱いている抽象的な、もしくは具体的なイメージを聞き出し、取り扱う商品を見せて頂いたり、既存店があればそこの問題点や維持したい要素など、お店に関わる全ての要望を伺い、私たちもその内容をインテリアデザイン側の視点に立ちながら具体的な例も混じえてお伝えし、少しずつお互いのイメージを擦り合せていきます。

 その後、現場も確認してさらにイメージを膨らませていきます。

・イメージコラージュ

 ヒアリングが終わって、弊社ですぐスタートする作業はイメージコラージュの作成とショップリサーチになります(ショップリサーチに関してはまた別の機会にお話しします)。その店、もしくはブランドに相応しいと感じたり、何か繋がりがあると思われる様々な写真やイメージを、まずはあまり条件を絞り込みすぎずにあれこれ拾い出していきます。そうすることで、少しずつその店に相応しいキーワードや方向性、世界観の輪郭がはっきり見えてきます。

 この作業は、以前までは本や雑誌、またはウェブサイト上の写真をコピーして切り抜いて、その切り抜きを思いつくキーワードごとに分類して、それぞれノートに貼り合わせて、と随分手間なことをしてイメージコラージュのノートを毎回作っていました。しかし、今はほとんど本をスキャンしたりウェブサイト上で拾い出した写真をパソコン上でコラージュし直し、必要に応じてプリントアウトして社内のスタッフ同士で話し合ったりして検証しています。

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・コンセプトの決定
 
 イメージコラージュの過程で見えて来たキーワードや世界観にプライオリティを付け、いらないものなどは省いたり、足りない部分は補足したりして、最終的にひとつの「コンセプト(もしくはストーリー)」にまとめていきます。
 
 実はここがデザインの中で一番重要で、ここを間違えると取り返しがつかないことになります。当然ながら、間違っているといくら店のデザインを格好良くまとめたとしても「その店には相応しくないデザイン」ということになってしまいます。コンセプトは今後進めていくデザイン全ての方向を決めていきます。
 
 この段階で、弊社では「コンセプトマップ」を作成します。この資料はお見せすることはできませんが 、コラージュに使用した写真やそれに付随する文章やイラストを加え、数枚にわたる資料を作成します。これを次回お話しするスケッチ資料などと合わせてお客様にお見せし、店のコンセプトやデザインを共有していきます。
 
 次回は、その「ラフデザイン提出」までご説明致します。