PEBBLE mini catalog 2017 2017.05.26
ついに、弊社ペブルのB7サイズのミニカタログが出来ました。
竣工写真だけでなく、フィロソフィーから仕事の進め方、今後開拓したいことなど、ギュギュッとペブルを詰め込みました。良かったら是非もらってください。欲しいと言ってくださる方には無料でお送り致します。送り先を下記のメールアドレスまでご連絡ください。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
info@pebble-design.co.jp
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ついに、弊社ペブルのB7サイズのミニカタログが出来ました。
竣工写真だけでなく、フィロソフィーから仕事の進め方、今後開拓したいことなど、ギュギュッとペブルを詰め込みました。良かったら是非もらってください。欲しいと言ってくださる方には無料でお送り致します。送り先を下記のメールアドレスまでご連絡ください。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
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数日後の12月4日で弊社は15周年を迎えます。
15年、切りのいい数字だったので例年なら一年を振り返るところを随分前まで振り返ったりもしてみましたが、独立当初と比べると、そして数年前と比べても、ここ最近は随分と理想的な仕事環境に向かっているなぁとは感じています。ただしそれは今の状況を維持したいという意味では全くなくて、むしろ満足できていない部分の方がずっと多い中で、それらを変えていきたいという思いがまだあちこちに溢れていることや、それでも自分なりには改善の方向性がしっかり見えていることを良しとした上で、期待値も含めた一時的な感情ではあるのですが(苦笑)。
何はともあれ、今思えば無謀とも言える24歳で独立して一人で始めたこの会社が、15年経った今、スタッフ4人と一緒に様々なクライアントから多くのブランドのお仕事の依頼を頂いていることは純粋に嬉しいですし、有難い限りです。この15年でこの仕事を通して出会えた人たちや築いた時間を考えても、恐ろしく膨大で貴重な日々だったと感じますし、これからもこういった出会いが続くことをこそこの仕事の楽しみにしていきたいと思っています。
5年前の10周年の際にはここに次のようなコメントを残しました。「10年後、自分達や自分達の家族が、誰と比べる訳でもなく自分たち基準で十分幸せで、その頃インテリアデザイナーを目指す若者達にどこよりも「入ってみたい」と思ってもらえるようなインテリアデザイン事務所で有れたらいいなあと思っています。」
その思いは今も全く変わりません。その後、インテリアデザイン事務所という業態からは少し変わりましたが、10周年のときにいたスタッフがほとんど今も入れ替わることなく残っていてくれている状況からは、少しずつですが、その方向に歩みを進められているのではないかと勝手に思っています。
世の中にインテリアデザイナーとして認められたくて独立した自分が、今やインテリアデザイナーという肩書きに違和感すら感じているのも不思議だなあと感じています。これからさらに5年後に一体どういった形の「幸せ」を手に入れられているか(むしろ手に入れられているのか?)、自分たちが何を目指しているのか、ここ5年で大きく変化した自分の環境や価値観を考えても、今の自分には全く想像がつきません。
それでも5年後も、10年後も自分が今と変わらず、もしくは今以上に誰よりもペブルを楽しめていれば良いなあと思っています。こんなペブルを今後も温かく見守っていただけると有難いです。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
海外に視察に行くとデザインにおける発見も気づきも多い。新しいデザインや流行はもちろんのこと、綺麗な装飾、圧倒されるスケール感、こだわりを感じるディテール、斬新なレイアウト、今まで見たことの無いような売り方やディスプレイ、グラフィックデザイン . . . . 挙げれば切りがない。
今回行ったニューヨークとボートランドの視察でも当然、日本とは異なる環境や文化で生まれる店舗デザインや建築、グラフィックデザインやアートを見る中で多くの驚きや感動を受けて帰ってくる、そう思っていたし、期待もしていた。
でも、今回はそれらどれを見ていてもそれほど心躍らなかったし、感動していない自分がいた。どこか冷めた気持ちでそれらを見ている自分。それはなんだろうか?なぜだろうか?と気持ちが動かない自分を視察中に歯がゆくも感じたし、日本に帰って来てからもその理由を何度か考えてもみた。
でも冷静に考えてみると、その理由は実はとてもシンプルだ。その二都市を見て回った目的がもともとそこではなかったのだから。
そもそも自分は表面的なデザイン自体には最近、随分興味を失っているように思う。こう書くと語弊が有るのかもしれないけど、今の自分はデザインそのものより、デザインの力を利用すべき対象をもっときちんと掘り下げたいと思っている。
もともと2〜3年前に日本で流行したポートランドに今頃行ったのも、またニューヨークに行った際にブルックリンに立ち寄ることを切望したのも、商業施設だけでなくエコビレッジやファーマーズマーケットを覗いて回ったのも、早朝の街を何時間も歩き回ったのも、ただ商業施設の新しいデザインを見たくて行った訳ではなかったから。むしろデザイン自体は今回の視察において二の次だった。
感じたかったのはもっと深い部分、そこに住む人々の根底にある意識や価値観の変化。今日本に欠けている「何か」、これからを生きる人間として意識すべき「何か」、もしくは既に自分の中で感じているいくつかの疑問や違和感への「答え」や「確信」でも良かった。そういったものを肌で感じたかったから行ったんだ。
ただ、それは至極当然なことかもしれないのだけれど、この短期間で感じ取れるだけの自分ではなかった。約一週間、一緒に視察に同行してくれた仕事仲間の車に乗せてもらって回って見るだけで、そんな深い部分まで分かるはずもなかったのかもしれない。生活してみないと分からないのかもしれないとも思う。
それでもせめて願うのは、今は自分では気づけていないけれど、自分の中に小さくも何か「種」や「菌」のようにほんの微量の「何か」が今回の視察の中で宿ってくれていること。数年後にふとしたきっかけで何かに気づくことでもいい。今後のそんな自分に今は期待するしかない。
そしてもう一言加えさせていただくと、今回この二都市を一緒に視察して回ってくれた三人(CASCADE 谷本氏、Strate 梁瀬氏、acca 袴田氏)には感謝の言葉しかない。ありがとうございました。
デザイン料に関して未だに何か「誤解」が有るように感じています。そして、その「誤解」は根深いなあとも。そんな訳で自分が思うデザイン料への認識を一度ここに書いておこうと思います。
僕らはデザインを通して、クライアントの求めるお店を具現化します。言い換えれば、クライアントの「お金」をクライアントの望む「お店」に転換すべく僕らは仕事をしています。その仕事量への対価として「作業料」を頂いています。それがつまり「デザイン料」です。
未だにデザイン料をデザインの意匠権や著作権(※)として支払っていると思われている感が根強くあるようにも感じますが、それはむしろデザイナー各々のデザイン性や経験、価値観への付加価値の金額差であり、料金そのものは「作業料」です。(※著作権は存在します。それが問われるのはクライアントがデザインを無許可で転用しようとした場合です。)
そしてその「デザイン料の増減」の基準は店舗の場合、面積です。面積が広ければ考えることも増え、スケッチも増え、CGパースも増え、図面も増え、交渉内容も増えますので、必然的に作業も増えます。その為、基本的には面積に応じてデザイン料(設計料)は増減します。ただし、お話しを伺って作業的にそれほど時間のかからないご依頼だと判断できれば弊社ではデザイン料を安くも致します。
「クライアント ⇄ デザイナー ⇄ 施工会社」
次にここにデザイナーがいないことを一度想像してみて下さい。そもそも「図面の通りにお店を作ること」が施工会社に課せられた使命であり仕事です。図面になるまでの一連の作業は担っていません。そこを担っているのがデザイナーです。
僕らはクライアントからお店のイメージを聞き、出店場所や希望の予算でできる最適な方法やデザインを考えます。お店の方向性が定まっていなければディレクションもします。その上でそのデザインを可視化できるように「スケッチ」を描いたり「CGパース」に起こしたり「コラージュ」を作ったり。そして施工会社にお店を作ってもらう為に必要となる「説明書=図面」を書きます。それを元に施工会社から出てきた「施工見積書」が正当かもきちんと確認しますし、金額に誤りが有れば指摘もします。
そして予算的に本当に必要なことは何か、優先すべきことは何かを僕らはアドバイスします。金額が予算をオーバーしていればもちろん減額案も提示します。作るべきものの優先順位を提示し、どこまで具現化することがよりそのお店にとって効果的かのアドバイスもします。必要があれば施工会社との契約内容も確認します。施工に入ればそのクオリティーもチェックしますし、図面と異なれば作り直しも指示します。全てのスケジュールも管理します。
さて、ここで質問です。
設計も施工も一社が担っている場合(クライアントが施工会社に設計も併せて依頼する場合もこれと同じです)、上記の一連の作業を彼らは本当に「快く」出来るでしょうか?プライオリティ重視の減額案を提示できるでしょうか?また、自分の作った製作物が図面と異なっていた際に「進んで」それを指摘できるでしょうか?彼らにとって、施工費こそが「売上げ」です。本当に快くできますか?
しかし施工費と自分たちの売上げ(報酬)が直結しないデザイナーにはそれができます。むしろそこを指摘する為にも施工費とは直結しない形で「デザイン料」を頂いています。これ以上はここについては触れませんが、この一連の作業を別の会社が担うことの大切さに気づいて頂くことがクライアントにとっては最も重要なことなのだと思っています。
このように、デザイナーとはクライアントと施工会社との間の「通訳(橋渡し)」の役割を担っています。クライアントが施工会社にお店を作ってもらう際に、その要望やイメージを正確に伝える為に。
そしてクライアントにとっての「コンサルタント」でも有るとも思っています。クライアントが支払うお金を使うべきところに正当に、最適に使ってもらう為に。要らないところにお金を掛けないように。そして目標の売上げを達成するお店を実現する為に。
さらに言ってしまうと、クライアントにとっての「弁護士」にも成りうるとも。「クライアント ⇄ 施工会社」の関係では生じうる様々な問題を無くす為に。そして施工会社にも気持ちよく円滑に作業を進めて頂く為に。
それらすべての仕事への対価として僕らが頂いているのが「デザイン料」です。
とは言え、デザイン料のボリュームが分からないとその価値の検証もできないとも思いますので、本来は施工費とは直結はしませんが(面積に応じた『基準設計料表』に基づいて算出します)目安としてお伝えしますと、弊社の「デザイン料」は施工費に対して10%程度の金額です。店舗全体を施工した場合、施工費比率で10%を超えることはまず有り得ません。
そこに価値を感じてくれる人がデザイナーにデザインを依頼してくれれば良いのだと、いつも思っています。
数年前から、弊社設立日の12月4日以降に毎年、一年を振り返るコメントを書いてきました。今年も早いもので来月にはその日を迎えます。そんな訳でまだ一ヶ月も早いのですが、一足先に今年度を総括させて頂こうと思います。
改めてここ2年のコメントを読み返してみますと、一昨年は「感謝の年」、昨年度は「気づきの年」でした。そんな形で今年度も一言でまとめてしまうならば「決意の年」になったと感じています。
以前から悶々と思い悩んでいた「自分が向かうべき方向」、むしろ気づいていて「向かいたい」と思っていたのに「そっちには行けない」と自分に言い聞かせてきた方向、そこに初めて「本気で取り組む」と決めるに至った一年となりました。
ここ数年で弊社のスタッフが成長し信頼が増したことや、様々なブレーンが広がったこと、またそういった挑戦をする人々と偶然にも巡り会える機会が増えたことも大きな要因ですが、それと併せてむしろ今年一番強く感じたのは自分自身の「決意」と「覚悟」の欠如でした。来年度から「本気で取り組む」と決めたこととは、つまり「沖縄に支店を作ること」です。来年度と言わず、実はその下準備は既に先月から始まっていますが。
4年前に自分の妻子が沖縄に移住して以来、それでも自分は職場をそれまで通り「東京のみ」と定め、沖縄にも仕事場は持ちながらも単身赴任という形でほとんどの時間を東京で過ごしてきました。「沖縄でゼロから仕事を開拓するのは難しい」それが自分がここ数年よく口にしてきた言葉でした。でも「自分がまともに動かずに勝手にそう決めつけることはやめよう」そう決意できた一年でした。これからは沖縄でのペブルの需要を開拓します!
ただし、沖縄で「インテリアデザイン&ブランディング会社」という今の弊社の業態に固執するつもりはもちろん有りません。それでも、そこに携わってきたからこそある今の自分が沖縄で新たにやれること、そんな自分が沖縄の人々に求められる仕事、そこに真っ向から立ち向かって行ければと思っています。既に滞在期間も東京と沖縄、半々に切り替えています。
もちろん一年や二年でその形が確立出来るものだとも思っていません。また今後も東京のペブルをおろそかにするつもりも毛頭有りません。どちらも今まで以上に本気で挑む所存です。そんな環境の中でスタッフがさらに成長することも楽しみの一つです。
そんな訳で、相変わらず試行錯誤を繰り返しているペブルですが、今後も温かく見守って頂ければ幸いです。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。